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さくらのホームページ教室

今こそ知っておきたいアクセシビリティ。イベントで理解を深めよう! 

2024年4月1日より、民間事業者に対しても障害者差別解消法の「合理的配慮の提供」が義務化されます。本コラムではこの背景の解説と、アクセシビリティについて理解が深められるイベントのご紹介をします。

アクセシビリティとは? 

初めに「アクセシビリティ」と似た言葉である「ユーザビリティ」という言葉との違いを確認してみましょう。「JIS Z8521(人間工学 – 人とシステムとのインタラクション-ユーザビリティの定義及び概念)」にはそれぞれ下記のように定義されています。 

ユーザビリティ(usability)  

特定のユーザが特定の利用状況において、システム、製品又はサービスを利用する際に、効果、効率及び満足を伴って特定の目標を達成する度合い。

出典: JIS Z8521:2020:箇条番号3.1.1 

アクセシビリティ(accessibility)  
製品、システム、サービス、環境及び施設が、特定の利用状況において特定の目標を達成するために、ユーザの多様なニーズ、特性及び能力で使える度合い 

出典: JIS Z8521:2020:箇条番号3.2.2 

つまり、ユーザビリティとは使い勝手を評価するものであり、アクセシビリティは年齢や障害の有無を問わず使うことができるかを評価するといった違いがあります。 

スマートフォンを例にしてみると、文字が大きく表示される(視覚)、押すと振動が返ってくる(触覚)、文面が音声で読み上げられる(聴覚)といった機能を持つものはアクセシビリティが高いと言えます。 

なぜ義務化されるの? 

義務化の経緯は、2016年4月1日に施行された障害者差別解消法に遡ります。 

この法律は、障がいを持つ方に対しての「不当な差別的取扱いの禁止」と共に「合理的配慮の提供」及び「環境の整備」を実施するよう定めており、「障害のある人もない人も、互いに、その人らしさを認め合いながら、共に生きる社会(共生社会)を実現する」ことを目指し制定されました。

当初、合理的配慮の提供義務は行政機関等(国や自治体)に限られ、民間事業者は努力義務とされていました。しかし、2021年5月に障害者差別解消法が改正され、2024年4月1日より施行、義務化されることになったのです。 

行政機関等事業者
不当な差別的取扱いの禁止 してはいけない(義務) 
第7条第1項
してはいけない(義務) 
第8条第1項
合理的配慮の提供しなければならない(義務) 
第7条第2項
するように努力(努力義務) 
第8条第2項 
→2024年4月1日より義務化
環境の整備するように努力(努力義務) 
第5条
するように努力(努力義務) 
第5条

合理的配慮の義務化とは? 

では、合理的配慮とは一体何でしょうか?
内閣府の「障害者の差別解消に向けた理解促進ポータルサイト」の合理的配慮の提供というページを見てみると下記のように書かれています。 

「合理的配慮」とは、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに負担が重すぎない範囲で対応することが求められるものです。 

出典:内閣府『 障害者の差別解消に向けた理解促進ポータルサイト – 合理的配慮の提供

実際私も勘違いをしていましたが、合理的配慮の義務は、「アクセシビリティ対応を規格に則って完了せよ」という意味では無い点に注意です。 

ウェブサイトは何を基準に対応すれば良いの? 

ウェブアクセシビリティ対応の基準となるのは、国内規格の「JIS X 8341-3:2016(高齢者・障害者等配慮設計指針-情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス-第3部:ウェブコンテンツ)」です。これに加えて、他にもいくつか関係する規格があるので確認をしていきましょう。 

規格間の関係性の理解には、デジタル庁が公開している『ウェブアクセシビリティ 導入ガイドブック』内の下記図が参考になります。 

出典:デジタル庁『ウェブアクセシビリティ 導入ガイドブック

図の通り、 JIS X 8341-3:2016 は W3Cによる「WCAG2.0( Web Content Accessibility Guidelines 2.0)」と国際規格である「ISO/IEC 40500:2012」と一致しているのです。 

厳密に言えば、JIS X 8341-3(2004年制定)→WCAG2.0(2008年勧告)→ JIS X 8341-3:2010(WCAG2.0を包含)→ ISO/IEC 40500:2012(WCAG2.0と一致)→ JIS X 8341-3:2016( ISO/IEC 40500:2012と一致するよう改定)といった流れです。 

2018年 に勧告された「WCAG 2.1」では、スマートフォンなどのモバイル端末への対応や、弱視(ロービジョン)や認知・学習障がいへの対応が強化されました。 

では次の「WCAG2.2」も10年後に勧告されるのかというとそうではなく、既に勧告提案がおこなわれています。上記のデジタル庁の図の通り、そう遠くない未来で正式に勧告され、 「JIS X 8341-3」も改定されると考えておいたほうが良さそうです。 

さて、ここまで背景をお話しさせていただき、いよいよ本題に入るかと思われた読者の方にはすみません。本コラムでの解説はここまでです。
続きは下記のイベントにて、よりアクセシビリティについての知識を深めていただければと思います。 

有識者によるアクセシビリティのイベント開催 

2023年11月11日(土)に、「アクセシビリティカンファレンス福岡」という福岡を拠点に活動する企業やフリーランスの方が運営するイベントが開催されます。タイムテーブルを見ると、ウェブアクセシビリティにも触れつつもアクセシビリティについて広く知見を得ることができそうな内容です。 

実はさくらインターネットは、こちらのイベントのシルバースポンサーを務めております。弊社サービスご利用中のお客様にもぜひご覧いただきたくて紹介をさせていただきました。 

参加費は無料ですが、既に現地参加枠がいっぱいですので、現在はYouTubeによるオンライン参加を受け付けています。(私もオンラインで視聴予定です) 
 参加方法やその他詳細については下記公式ページをご覧のうえ、ご参加ください。 

執筆 尾崎 翔一

さくらインターネットでWebマーケティングを担当。 サイト運用中の方にも役立つような記事も書いていきたいと思います。

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