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レンタルサーバーのプラン変更って何?
プラン変更で身近なものはスマートフォンの料金プランでしょうか。
通話料が多いので通話料金が定額(かけ放題)が良い、動画をよく見るので通信量(ギガ)が多い方が良いといったニーズに合わせて料金プランを選んだり、時には見直しをしているかと思います。
レンタルサーバーも同様に、プランによって使える機能や容量の違いがあります。契約する際には不要だと思った機能が何年と使い続けるうちに必要になってくる事があります。例えば、当初はメールだけ使えれば良いのでメールボックスを契約していたけれど、ホームページの公開も必要になってきた。といった場合は、利用しているプランそのものをライト以上のプランに変える必要が出てくるわけですね。
プラン変更は頻度こそ多くありませんが、それほど珍しい事でも無いのです。
プラン変更が出来るようになって、今までと何が変わったの?
例えばスタンダードプランからビジネスプランに変更する場合、今までは新たにビジネスプランの申込を行い、スタンダードプランに保存されているデータを手動で移し替える必要がありました。一言で移し替えると書いていますが、ある程度の知識がないと実施が難しいうえに、移行後にデータが無い!見られない!といったトラブルも良く起こるので、それなりに負担が掛かる作業でした。
今回、いくつか条件はあるもののサーバー間のデータの移行を自動的に実施する機能を提供させていただく事によって、お客様側の負担を極力減らしてプラン変更を行っていただけるようになりました。
プラン変更を検討してみる
プラン変更は上位プランへの変更のみ可能です。上位プランに使いたい機能や容量等がある場合はプラン変更を行っていただく価値があると思いますのでぜひご検討ください! 逆にレンタルサーバーの機能として提供していないものに関してはプラン変更を行っても解決出来ない可能性があります。
プラン変更を行って解決できること、できないことを下記にまとめてみましたのでご参考ください。
プラン変更で解決できるもの
レンタルサーバーのプラン構成は基本的に上位プランになるほど機能が充実していきます。ご利用中のプランと上位プランを見比べていただき、使いたい機能があるかをご確認ください。
機能 | メールボックス | ライト | スタンダード | ビジネス | ビジネスプロ |
---|---|---|---|---|---|
ストレージ容量 | 20GB | 100GB | 300 GB | 600 GB | 900 GB |
マルチドメイン | 20個 | 20個 | 200個 | 400個 | 500個 |
MySQL | − | − | 50個 | 200個 | 400個 |
メール | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
ホームページ | − | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
WordPress | − | − | ◯ | ◯ | ◯ |
PHP(モジュールモード) | − | − | ◯ | ◯ | ◯ |
バックアップ&ステージング | − | − | ◯ | ◯ | ◯ |
Webフォント | − | − | ◯ | ◯ | ◯ |
コンテンツブースト無料利用枠 | − | 転送量 100GB/月 | 転送量 100GB/月 | 転送量 300GB/月 | 転送量 300GB/月 |
複数ユーザーでの管理 | − | − | − | ◯ | ◯ |
IPアドレス専有(ウェブのみ) | − | − | − | − | ◯ |
メールのドメイン毎の個別受信 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
簡易迷惑メールフィルタ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
高精度迷惑メールフィルタ | 1個 | 1個 | 5個 | 100個 | 200個 |
プラン変更の目安としては下記になるかと思います。
- 容量や独自ドメインの設定数を増やしたい→1つ以上上のプランへ
- ホームページを公開したい→ライト以上
- WordPressを使いたい→スタンダード以上
- 複数ユーザーで管理したい→ビジネス以上
- 会社組織単位でメールフィルタの精度の良いものを利用したい→ビジネス以上
- IPアドレス専有が必要→ビジネスプロ(ウェブのみ)
実際に変更いただいたケースで多いものが、メールボックスやライトからスタンダードへの変更です。やはりブログやホームページの公開に使えるWordPressの人気は高いようです。
またスタンダードプランからビジネスプランへの変更も少なくありません。ご利用されている組織の規模感が大きくなると上位プランの持つ付加価値を評価いただく傾向にあるようです。
プラン変更で解決できない、できない可能性があるもの
今度はプラン変更で解決しにくいケースです。
- 管理者権限(root)が必要なコンテンツを利用したい
すべてのプランで管理者権限がありません。必要な場合はさくらのVPSなどの利用をご検討ください。 - サーバーやコンテンツ表示速度が遅い
共有サーバーの特性上、ご自身や他のユーザーの負荷によってパフォーマンスが落ちている可能性があります。ただし、ご自身のコンテンツに原因(プログラムの負荷やプログラムの誤作動等)がある場合はプラン変更を行っても解決しないのでご注意ください。 - アクセスすると503が表示される
動的コンテンツにアクセスが集中する等が発生すると503が表示される場合があります。リソースブーストもしくはコンテンツブースト(CDN)をご利用いただく事で解決することがあります。 プラン変更を行う前に一度お試しください。 - データベースの処理遅延を改善したい
データベースのサーバは、レンタルサーバとは異なるサーバで稼働しているため、データベースの処理で遅延が発生している場合は、プラン変更を行っても改善しません。データベースのクエリや構成の見直しをご検討ください。
ご要望や課題を良くご検討のうえ、プラン変更が適切かどうかご判断いただければと思います。
プラン変更の条件について
続いてプラン変更をご利用いただくにあたっての前提条件を確認してみましょう。
事前に確認・対応いただく必要があるもの
- お試し期間中や料金未納によるサービス一時停止中、解約手続きを行っていないこと。
- クーポンが適用されている期間ではないこと。
- MySQL5.7のみを利用されていること。
MySQL4.0、5.1、5.5をご利用の場合、プラン変更はご利用いただけません。事前にMySQL5.7へ移行する必要があります。 - バックアップ&ステージング機能の設定は解除されていること
プラン変更が出来ないケース
- マネージドサーバへの変更
ご希望の場合は従来通りお客様側でデータ移行をご対応いただくか、さくらのさくっとおまかせ設定をご利用ください。 - 同一プラン、下位プランへの変更
※手動で移行される場合は可能です。 - 毎月1日と月末のプラン変更
弊社の請求に関する内部処理の関係上、月末月初での変更ができません。 - 対象のサーバーが1週間以内にメンテナンスを控えている場合。
※例外あり 1度でもプラン変更が完了している場合。※2024年7月より上位プランへの変更が複数回実施可能になりました。
プラン変更における機能や設定の引き継ぎについて
プラン変更を実施して引き継がれる機能や設定、逆に変更されるものを確認します。本記事では代表的なものに留まりますので、詳しくはこちらのページをご覧ください。
項目 | 引継 | 内容 |
---|---|---|
初期ドメイン名 | ○ | ドメインのゾーンファイルも新サーバのIPに更新されます。 |
サーバーパスワード | ○ | |
IPアドレス | × | 新しいIPアドレスが割り当てられます。 ※旧IPアドレスでは接続ができなくなります。 |
IPv6アドレス | × | 新しいIPアドレスが割り当てられます。 ※旧IPアドレスでは接続ができなくなります。 |
ホスト名 | × | 新しいホスト名が割り当てられます。 ※旧ホスト名では接続ができなくなります。 |
Webサイトデータ サーバのデータ | ○ | /home/アカウント以下のデータ全て。 |
独自ドメイン | △ | さくらのネームサーバーをご利用の場合、引き継がれます。 ※別の会員IDで管理している独自ドメインの場合はIPアドレスの書き換えに対応しません。 |
PHPバージョン | ○ | 7以上のバージョンでcgi設定の場合は、モジュールモードに変更。 ライトプランはモジュールモード非対応のため変わりません。 |
無料SSL Let’s Encrypt | ○ | |
JPRS SSL(JPRS RS) | △ | SSL証明書の設定が完了していれば引き継がれます。 ただし、JPRS SSLを新規発行中、もしくは更新手続き中の場合はプラン変更をお控えいただき、SSLの設定が完了してからご利用ください。 |
.htaccess | △ | 旧仕様の指定があることでループを引き起こすことがあるため、以下の内容にプラン変更中に変換します。 SetEnvIf REDIRECT_HTTPS (.*) HTTPS=$1 ↓ #SetEnvIf REDIRECT_HTTPS (.*) HTTPS=$1 AddType text/x-server-parsed-html ~ ↓ AddOutputFilter INCLUDES ~ |
メールアカウント | ○ | |
メールパスワード | ○ | |
メールの設定 | ○ | |
メールデータ | ○ | プラン変更の作業処理開始までメールボックスに着信していたメール全て。 /home/アカウント/MailBox内のデータ |
その他注意事項
- 利用しているウェブアプリケーションの設定でデータベースのホスト名が「mysql○○.db.sakura.ne.jp」で記述されている場合「mysql57.アカウント名.sakura.ne.jp」に変更していただく必要があります。※○○部分は任意の数字
- 「クイックインストール済み一覧」に表示されたWordPress、EC-CUBE、concrete5については、特殊な事例を除き自動でデータベース情報を「mysql57.アカウント名.sakura.ne.jp」に書き換えます。
- データ欄をドメイン名で指定している場合、末尾に[.]を追記して設定してください。
誤: IN MX 10 example.com
正: IN MX 10 example.com. (※末尾に[.]を追記) - MXレコードのデータ欄に優先度の数字が記載されていない場合、追記してください。
誤: IN MX 空欄 example.com.
正: IN MX 10 example.com.
※優先度の数字は運用によって異なります。
※「データ欄」はDNSゾーン編集画面の以下の項目です。
※DNSゾーンの編集はこちらのページを参照ください。

まりな
アカウント情報は変わらないとはいえ、PHPバージョンが変わる可能性がある、プログラムの記述状況(マイナーな記述方法とか)などにより移行先の環境で意図した動作をしない場合があります。こういったケースに備え、バックアップ&ステージング等で事前に異なる環境であってもホームページが意図通り動作するか、ご確認いただくことを推奨します
プラン変更中の注意事項
プラン変更をご利用いただいている最中は、ホームページやメールなど、さくらのレンタルサーバのすべての機能が利用できなくなります(ホームページはメンテナンス中と表示されます)。
プラン変更にかかる時間はサーバーのデータ量に依存し、あくまで目安になりますが10GBで40分、100GBで約4時間程度です。少なければ時間が短縮されますので、特にWordPressをご利用の方はバックアップデータを整理いただくと良いかと思います。
その他、詳しくはこちらのページをご確認ください。
プラン変更を行った際の料金について
長大になるので本記事では基本概要をご説明します。
まず、プラン変更を行っても契約期間の変更はありません。変更前後のプランの価格差を残契約期間で日割り計算し、プラン変更完了翌月にご請求する形となります。
詳しくは説明用のページをご覧ください。
プラン変更の手順
これまでのご説明で問題なければプラン変更を行っていただけます。
サーバーコントロールパネルにログインし、サーバー情報からプラン変更をクリックし、順にお進みください。以降の手順はこちらのページをご確認ください。

プラン変更が完了し、完了メールが届けば終了です。
お疲れ様でした!