レンタルサーバーやSSL関係のお役立ちコラム

さくらのホームページ教室

【今すぐ実践】迷惑メールを減らすための基本対策 

日々届き続ける迷惑メール。場合によってはセキュリティリスクも伴うこれらの対処方法について説明します。 

迷惑メール(スパムメール)とは 

迷惑メールを一言で表すと「受信に同意した憶えが無いのに勝手に送られてくるメール」です。単に煩わしいだけではなく、フィッシングメールに代表される個人情報やクレジットカード等の情報を盗もうとするものやマルウェアへ感染させるものも含まれます。 

特に近年、フィッシング詐欺が急増している様子で、フィッシング対策協議会のレポートによると2020年6月のフィッシング報告件数 (海外含む) 16,811件に対し、2024年6月の報告数は144,160件となっています。 

出典:フィッシング対策協議会 2020/06 フィッシング報告状況
出典:フィッシング対策協議会 2024/06 フィッシング報告状況

内容も巧妙化し、大手通販サイトや大手カード会社や運輸会社の名前を騙るなど、あの手この手で騙そうとしてきます。対応を誤ると情報漏洩やデータ破損、アカウントの乗っ取り、金銭的な被害以外にも訴訟等の法的リスクにも発展しかねませんので法人個人問わず注意が必要です。また弊社名を利用したフィッシングメールも確認されていますのでお客様におかれましては十分にご注意ください。 

またフィッシング報告件数が激増している事から分かるように、迷惑メールの送信は攻撃者にとっては都合の良い手法であり、根本的な撲滅は現実的に難しいと考えたほうが良いと思います。 

迷惑メールの基本的な対策 

迷惑メールは基本的にスパムフィルターと呼ばれる、迷惑メールを自動的に検出し、受信トレイから除外するためのツールで対処します。 
さくらのレンタルサーバでは、従来からご利用いただける「簡易迷惑メールフィルタ」と2024年3月より導入された「高精度迷惑メールフィルタ」の2種類の迷惑メールフィルタをご利用いただけます。 

まずは高精度迷惑メールフィルタの設定がおすすめ 

さくらのレンタルサーバの高精度迷惑メールフィルタでは、Vade社の予測型メールセキュリティソリューション「Email Content Filter」を使用しています。 
人工知能(AI)と、14億を超えるメールボックスの統計データ、人によるリアルタイムのフィードバックを組み込んだ予測型メールセキュリティソリューションで、精度の高い迷惑メールフィルタリングを実現します。 
国内大手携帯キャリアでも採用されている実績のあるソリューションなので、基本的にこちらのご利用をおすすめしています。プランごとに設けられている無料のご利用枠で足りない場合は追加ライセンスをご契約いただく事も可能です。 

不審なメールは開かず削除する 

メールフィルターも100%迷惑メールを排除出来る訳ではありませんので、すり抜けて受信される迷惑メールも存在します。 
インターネットメールの仕様上、送信者メールアドレス名は偽装できるため、送信者のメールアドレスだけでは正しいと判断できません。また、正しいメール送信先であっても、送信元のサーバが不正に侵入され、そこからフィッシングメールを送信されるというケースもよくあります。 
 よって、最終的な対策は自分自身でメール文面におかしなところがないかの確認や、メール本文にWebサイトへ促すリンク(URL)が記載されている場合は、そのリンク先が正式なアドレスであるか確認することが望ましいです。 余裕がある方はフィッシング対策評議会に報告いただくのも良いかと思います。 

自分が加害者になる可能性を減らす 

この記事をご覧になっている方は「なぜ自分が加害者に?」と思われているかもしれません。ですが、不正アクセスされたレンタルサーバーから契約者が気づかないまま大量の迷惑メールを送信している土台になっている事例は全く珍しくありません。攻撃者に対し、安易に迷惑メールを配信する土台を与えないためにも適切なパスワードの設定をしておきましょう。 
加えて、WordPress等のCMSを利用している場合は本体やテーマ、プラグインを常に最新版にアップデートする事が必要です。また長らく更新が止まっているプラグインは脆弱性が放置されたままになっている可能性もあるので、別の同等機能を持つプラグインに乗り換えをする事も考えておくと良いかと思います。 
またGoogleが「メール送信者のガイドライン」を設けたとおり、メールも送信者の認証が必須の時代になりました。DKIMとSPFに弾かれた迷惑(なりすまし)メールをむやみに受信されないようDMARCのポリシーを定めておく事も必要です。 
詳しくは下記の記事で解説していますのでご覧ください。 

本記事は以上です。 

執筆 尾崎 翔一

さくらインターネットでWebマーケティングを担当。 サイト運用中の方にも役立つような記事も書いていきたいと思います。

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